読み聞かせの苦い思い出
子供の頃、児童書が好きで、高学年になっても子供図書館に友達と入り浸っていた。
そのうち、職員さんに勧誘され、無償で小さい子供たち向けに絵本の読み聞かせをするようになった。
結構楽しかった。
友達と2人、小さい子供らへの読み聞かせが習慣として定着した頃、おそらく図書館の職員さんが学校に状況を伝え、お礼を言ってきたのだと思う。あるホームルームの時間、突然に私たちは先生にほめられた。
すばらしい取り組みだと。
クラスのみんなは好意的に反応してくれたか。否。男子たちはもちろん、クラスの中心的存在の女子たちも、冷たい視線を向けてきた。
おまえらみたいな、クラスにいてもいなくてもわからないような地味な連中が、何を目立とうといい子ぶってんだよ。
友達と私は瞬時にその冷たい雰囲気を察知し、先生にほめられている間、生きた心地がしなかった。
後で実際、男子にたっぷり嫌味を言われた。
それ以降、子供図書館に行く頻度は次第に減り、読み聞かせも自然消滅した。
私たちのささやかな楽しみは、大人の厚意によって潰された。
学校に伝えて礼を言った図書館の職員に。それを聞いて、みんなの前で発表してほめた教師に。
いいか。子供をほめれば必ず喜ぶと思うな。
晒し者にされた恨みはずっと消えない。
何にせよ、空気読めない人はダメだ。
それを学んだよ。
子供の世界の張りつめたとげとげしさを読めない大人が教師やってちゃダメだよな、と10歳で学んだ。
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